【ボールパイソン】拒食の原因と対応について
拒食とは切っても切り離せないボールパイソンですが、拒食する原因によって取るべき対応が変わってきます。ボール1匹1匹と向き合い、適切な判断と対応をするお手伝いになればと思いこの記事を書いてみました!
ボールパイソンの拒食
食べないからアシスト給餌しないと!と急ぐ方をたまに見かけますが、まず「拒食=アシスト給餌」ではないということを念頭に置いておいてください。拒食にも色々なパターンがありますので、まずそこでしっかりと見極めましょう。
季節性の拒食
冬になると拒食に入るボールパイソンが多いです。これはいくら温度管理をしていても、ふと入り込んだ冷気や乾燥した空気を敏感に感じ取って、寒くなってきたと判断してしまうのです。
季節性の拒食の場合、食べてない割に体重はほとんど落ちず、体型も維持されますのでわかりやすいです。
部屋全体を常に暖房で管理し、加湿器などで乾燥を防いでいる場合は拒食に入る個体がいないこともありますが、特段気にすることでもありません。アシスト給餌はする必要がなく、また暖かくなってから食べるのを待つといいです。
アダルト個体だと、季節性の拒食の場合は半年以上拒食しても問題ないです。ベビーやヤング個体でも、3ヶ月以上は問題ないでしょう。
しかし、サイズ問わず綺麗な水は常に用意しておいてください。生き物は水が全てと言っても過言ではないくらい、水が重要です。
環境による拒食
温度が高い・低い、乾燥しているなど環境による要因は様々です。
環境による拒食の場合、食べていない時期に比例して体重が減り出し、あまり長引くと命にも関わります。しかし環境を整えるとすんなり食べてくれることが多いです。
あまり長引くようならアシストしても良いですが、環境が良くないのであれば消化にも影響がある可能性もあるので注意が必要です。
ボールパイソンは主にアフリカに分布し、草原や森林、農耕地の近くに生息しています。夜行性で、哺乳類などの掘った巣穴に住んでいます。土の中は湿っていて湿度は十分あり、一番寒い季節でも夜間は最低23℃・日中は28〜29℃くらいあります。一番暑い季節でも最低26℃・最高33℃くらいと、気温が安定している地域に住んでいます。
想像してみてください、アフリカの26℃と日本の26℃を。アフリカの湿度70%と日本の湿度70%を。数字だけ合わせても感じ方は違うというのが、想像すればお分かりいただけると思います。
ケージ全体を27℃に保ち、ホットスポットを33℃にする。湿度を70%で保つ。間違っていませんが、空気穴の数や場所によっても感じ方が違うと思います。
一番いいのはウェットシェルターを用意し、巣穴を再現してあげることです。ウェットシェルターの外は湿度40〜50%でも構いません。アフリカ全土が湿度70%均一なわけありませんからね。
しかしサイズによってはシェルターがない場合もあります。と言うかヤング以上が入れるシェルターは市販ではないかもしれません。そんな時は水苔などで湿った場所を用意してあげると良いです。自分で好きな湿り具合の場所を選べるようにしておけば、快適に過ごせるはずです。
また、床材が気に入らないという場合もありますので、床材を変えてみるのも良いかもしれません。特段焦る必要はありませんので、ゆっくりその子にあった環境を探してあげてください。
病気による拒食
風邪の場合
ボールパイソンは風邪を引きやすい種類です。乾燥していて気温も低いと簡単に風邪を引きます。
風邪を引くと口の中にネバネバしたヨダレが溜まり、食欲がなくなります。呼吸しずらくなるためずっと上を向いたり、口を開けたままにします。呼吸音も「ヒューヒュー」や「ピーピー」と聞こえます。
他の蛇にも感染しますので、症状が現れたらすぐに隔離してください。応急処置としては、一時的に免疫をあげるためにいつもより高い温度(30℃くらい)に保ち、湿度も80〜90%くらいになるように高めに保ちます。
数日間はこれで様子をみても良いですが、免疫を上げ続けるのも体力的にきついので、早めに病院へ行ってください。
一度風邪を引いてしまったら、立ち上げるのはなかなかに難しいです。風邪を引かないように環境を整えておくことはもちろんですが、もしものために爬虫類を診てくれる病院を探しておきましょう。
マウスロットの場合
風邪に良く似た症状で、マウスロットという病気があります。口の中で病原菌が増殖し、膿が溜まる病気です。
風邪と同様に食欲がなくなり、呼吸音も変になります。他の蛇にも感染しますので、症状が現れたらすぐに隔離してください。こちらも自宅での治療は難しいので、早めに病院へいきましょう。
餌付いてない場合の拒食
餌付いていない場合を拒食と呼んで良いのかわかりませんが、とりあえず比べるために拒食として扱います。
餌付かない理由としては、ざっくり
- 餌が怖い
- 餌だと認識していない
- 餌に飛ぶ行為がわからない
- 餌を食べる気がない
の4つかなと思います。
1.餌が怖い
まず餌を怖がるパターンです。サイズが大きかったり、近づけ方が良くなかったりすると拒絶されてしまいます。舌をペロペロしているのにマウスを近づけると逃げると言う場合は、サイズを落としたり、ゆっくり遠くから近づけてみてください。小さい餌になら飛べるかもしれません。
2.餌だと認識していない
正面から餌が近づいてきても、何だかわからず食べない個体もいます。ボールパイソンは自然界で木に登って鳥を捕まえたりしますので、本能的に餌だと認識させるために宙ぶらりん手法を使ってみてください。
片手で胴の真ん中あたりを持ち上げて宙ぶらりんにします。木にぶら下がっているイメージです。そして、下からマウスを左右に動かしながら口元へ持っていきます。これで餌だと認識して狙う姿勢になる個体が多いです。
3.餌に飛ぶ行為がわからない
宙ぶらりん手法を使っても餌に飛ばない個体もいます。そんな時はアシスト給餌です。しかし、ファーストシェッドから2週間以上経っていない場合は1〜2を繰り返してみてください。アシスト給餌は頭をしっかり保定するので、ストレスがかかるしトラウマになってしまう可能性もあります。
4.餌を食べる気がない
アシスト給餌をしてもマウスを口から吐き出して嫌がる個体は、食べる意思がありません。痩せてきてしまった場合は強制給餌が必要になります。これは最終手段です。生き延びてもらうための人間のエゴですが、いずれ自分で食べるようになる個体もいますので、信じて向き合いましょう。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございました(*^_^*)
拒食についてはまだまだ知らないこともありそうなので、日々勉強していこうと思います!もし不足部分や、これは違うよ!などありましたら、ぜひ教えてください♪
この記事を読んで、ボールラバーズが増えてくれると嬉しいです♪