【ボールパイソン】初繁殖日記① 〜交尾から産卵まで〜
今回初めてボールパイソンの繁殖に挑戦したので記事に残します。色々と工夫したことを詳細に記録したので、参考になれば嬉しいです。
ボールパイソンはボールニシキヘビ、ロイヤルパイソンなどの呼び方もあるニシキヘビ科の小型の蛇です。
小型とはいえ、成体は100cm超えますし、太さも直径10cm近くなる個体もいます。
今回はバンブルビー(パステル×スパイダー)♀とミスティック♂を交配させてから産卵するまでの記録を残します。
後編の孵化から餌付けまでの記事はこちら
繁殖の流れ
クーリング | 1週間ほどかけて温度を下げる。オスは餌を抜き、メスは食べるなら小さい餌を与える。 |
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ペアリング | オスとメスを同じケージに入れる。この時発情していれば指切りをする。 |
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排卵前脱皮 | 排卵前にする脱皮のこと。この前後がもっとも指切りをしやすいので、たくさん会わせる。 |
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排卵 | お腹の真ん中あたりがぽっこり膨らみ、36時間前後で元に戻る。 |
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回転姿勢 | 最終脱皮前後にちょくちょく起こる。お腹を上にして寝転んだり、くねくねする動きを見せる。ここで完全に餌をストップする。(事前に自ら食べなくなることが多い) |
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最終脱皮 | 産卵前最後の脱皮のこと。排卵から約2週間〜4週間後に起こる。この時点で断面がスライム型のような体型になる。 |
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産卵 | 最終脱皮から30〜40日後に産卵する。産卵前は完全にスライム体型になる。 |
親個体の体重
繁殖させるために一番大事なのは、親となる個体をしっかり大きく育てることです。
特にメスは命がけで卵を産まなくてはならないので、少なくとも1500gまでは育てるのが好ましいとされています。あまり小さいと採れる卵も小さかったり、有精卵が少なかったりするので、2000g以上あるのが理想です。
今年我が家で母となってくれたバンブルビーは、3000g超えでした(笑)
オスは性成熟していれば700gでも繁殖には使えます。我が家で父となってくれたミスティックは770gで見事に交尾してくれました。マセてますねぇ…
クーリング
ボールパイソンは通常27〜30度くらいの環境で生活しています。しかしこの温度のままだとあまり発情しにくい個体もいるようです(中には温度が高くても発情する個体もいます)。
そこで、夜間の最低温度を25〜27℃くらいまで下げて、少し冷えてきたように感じさせます。これをクーリングと言います。
日中の温度は通常と同じか少し低いくらいにしましょう。冬を感じることで、本能的に子孫を残そうと発情してくれます。
温度を下げる際は急に下げるのではなく、1週間ほどかけてゆっくりと下げていきます。
急に下げてしまうと、個体が風邪をひいたり体調を崩してしまいます。一度風邪を引いてしまうと、立ち上げるのはかなり難しいです。
クーリング中、蛇たちが風邪を引かないように、湿度をいつもよりも高めに保つことを意識しましょう。
オスは完全に餌を抜きます。1ヶ月くらいクーリングを続けると、本能的に子孫を残そうとするので、発情します。
メスは食べるようならあげて大丈夫ですが、温度を下げているので餌は1〜2サイズ小さくしてください。消化不良や吐き戻しには十分注意してください。
ペアリング
1ヶ月のクーリングを経たら、いよいよペアリングです。オスとメスのペアを一緒にして交尾させることをペアリングと呼びます。
オスが発情していれば、比較的すぐに交尾すると言われています。
また、メスとオスどちらのケージで一緒にするかは色々と意見があります。個人的には、メスのケースにオスをいれて、交尾しなければそのままオスを他のメスのケースへ回して行く方が効率がいいのかなと思います。
また、蛇が交尾することを「指切り」と呼びます。尻尾を巻きつけている様子が指切りに似ているからです。
ちゃんと指切りが成功している場合は、オスの尻尾が下にあります。
もし3日間ほど一緒にしても指切りが確認できない場合は1度離して、また3日ほど経ったら一緒にしてみてください。少しの間離すことで、またお互いを意識させるためです。
排卵前脱皮
ペアリングを始めて1ヶ月くらいすると、排卵前脱皮というのをします。この排卵前脱皮の前後が最も交尾しやすいと言われています。メスは貯精すると言われていますので、この時期にたくさん指切りさせておきましょう。
排卵
排卵前脱皮から1ヶ月くらい経つと、排卵が来ます。排卵がくると、お腹が大きくボコッと膨れます。12時間ほどで元に戻ってしまうらしいです。私は排卵がいつだったのか、気がつきませんでした(笑)
回転姿勢
排卵から2週間ほど経つ(つまり排卵前脱皮から約6週間経つ)と、回転姿勢をします。お腹を上に向けて寝っ転がるので、すぐにわかると思います。
この回転姿勢をしたら受精している証拠なので、餌をストップします。
餌で卵を圧迫するのを防いだり、卵の形成に専念するためのエネルギーを消化に使わせないようにするためです。
最終脱皮
回転姿勢から3〜4週間ほど経つと、最終脱皮をします。これは産卵前にする最後の脱皮という意味です。
最終脱皮の兆候が現れたら産卵に備えて準備し、不足しているものがないかしっかり確認しておいてください。もういつ産まれても良いように!
産卵
最終脱皮から大体30日〜40日で産卵します。母個体の健康状態や栄養の有無により卵の形成スピードが変わるので、場合によってはもっとかかることもあるみたいです。
ほとんどの場合は夕方から朝方にかけて卵を産みます。ボールパイソンの場合、産卵床は特に必要ありません。うちでもペットシーツの上に普通に産みました。
産卵後のメスは卵を抱きかかえるようにしてとぐろを巻いていて、とても警戒心が強いです。というか、かなり怒っています(笑)
さて、この卵を母体から回収するわけですが…
絶対に向きを変えてはいけません
蛇の卵、というかほとんどの爬虫類の卵には胚の向きというのが決まっていて、それを守らなければ孵化しません。そして爬虫類は器用に、正しい胚の向きで卵を産みます。なのでまず、卵の向きが変わらないように上部に印をつけます。(産みたての卵だと表面が柔らかく、マジックペンで書けなかったり破けてしまう可能性があるので、革のような弾力が出るまで数時間置いてから印を書きましょう。)
この時、母蛇が暴れて卵が転がってしまうと危険なので、あらかじめ布などで顔を覆い落ち着かせておきましょう。
印をつけ終わったら、母蛇の頭からゆっくりトグロをほどき、別のケースへ移します。そして、卵をインキュベーターへ移していきます。
母体のアフターケア
排卵からずっと餌を食べていない上に、出産でかなり体力を消耗しているので、かなり痩せ細ってしまっています。まずは餌を食べて、栄養を補給してもらいます。しかし、久しぶりの餌だからといってすんなり食べてくれるわけではありません。
卵の匂いが残っていると、餌を食べないのです。
そこで、母体についた卵の匂いを取るために温浴をします。温浴をしたら、使っていたケージも匂いが残らないように綺麗に洗ってあげます。予備のケージがある場合は、そちらを使っても良いです。
とにかく、きちんと匂いを消してあげましょう。我が家のバンブルビーは、出産から1週間ほどで餌を食べました。
久しぶりの給餌なので、普段のサイズよりも1サイズ小さい物を与えてください。
後編の孵化から餌付けまでの記事はこちら
さいごに
最後までお読み頂きありがとうございました(*^_^*)
この記事を読んで、ボールラバーズが増えてくれると嬉しいです♪